
ゴミ屋敷化が進んでいることに不安を感じ、病気が関係しているのではないかと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。放置すると近隣とのトラブルにもつながるため、早めの対処が大切です。この記事では、ゴミ屋敷化に関わる心理や病気の特徴、解決するための効果的な方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
病気のせいかも!ゴミ屋敷の裏に潜む病気のサイン
片付けができず部屋が物であふれてしまう背景には、病気が隠れている場合があります。まずはゴミ屋敷化につながる代表的な病気と原因について、詳しく見ていきましょう。ためこみ症
ためこみ症は不要な物を手放せず、部屋が物で埋め尽くされる病気です。以前は強迫性障害とされていましたが、現在は別の病気と判断されています。不要品を捨てることに強い苦痛を感じるため、自力での改善は難しいといわれています。買い物依存症
ストレス発散の手段として買い物を繰り返す買い物依存症も、ゴミ屋敷化の要因です。増え続ける物が片付けられず、生活環境を悪化させてしまいます。根本的なストレス要因を取り除かない限り改善は困難で、生活や環境の見直しが必要です。強迫性貯蔵症
強迫性貯蔵症は物を収集する衝動が強く、家を集めた物で埋め尽くしてしまう病気です。几帳面で完璧主義の人に多く、うつ病を併発することもあります。恥ずかしさから相談できず孤立しやすい点が問題となっています。セルフネグレクト
セルフネグレクトとは、自分の生活や健康に無関心になり、片付けや身の回りのことを放置してしまう状態です。悪化すると食事の後片付けや入浴もできなくなり、部屋はゴミであふれ、悪臭や感染症のリスクも高まります。認知症
認知症は記憶力や判断力が低下し、日常生活の行動に支障が出る病気です。同じ物を何度も買ったり片付けられなくなったりすることで、ゴミ屋敷化の原因になります。高齢者に多い病気ですが、若年でも発症する場合があるため注意が必要です。物忘れや判断力の低下を感じたら、精神科や脳神経内科で早めに相談しましょう。
ゴミ屋敷を放置するとさまざまなリスクがある
ゴミ屋敷は見た目の問題だけでなく、さまざまなリスクがあります。放置すれば住人だけでなく周囲にも被害が及ぶため、早めの対応が必要です。ここでは代表的な4つのリスクを紹介します。健康被害が起こる
大量のゴミはダニやカビ、ほこりを増やし、アレルギーや呼吸器系の疾患を引き起こす原因になります。さらに腐敗した食べ物や排泄物は病原菌の温床となり、食中毒や皮膚病を招く恐れもあります。不衛生な環境に住み続ければ免疫力が低下し、生命の危機に発展するケースも珍しくありません。
精神疾患やセルフネグレクトの悪化
片付けができない状況は無力感や自己嫌悪を強め、うつ病や不安障害を悪化させてしまいます。もともと精神的に不安定な人はさらに症状が重くなるでしょう。またセルフネグレクトが進むと生活を立て直す意欲を失い、解決が難しい状態に陥ってしまいます。害虫や悪臭による近隣被害
ゴミ屋敷は害虫やネズミの繁殖を招き、被害は住人の家だけに留まりません。最終的に近隣にまで広がり、生活環境を大きく損なうでしょう。悪臭も周囲の人々に迷惑をかけ、住民トラブルや法的問題に発展するケースもあります。火災の原因になる
紙やプラスチック、不用品が散乱している状態は、わずかな火花でも火災につながります。さらにゴミが避難経路を塞ぐと、いざという時に逃げられません。深刻な被害を招かないためにも、ゴミ屋敷を放置するのは避けましょう。病気が原因のゴミ屋敷を解決するには?効果的な方法と相談できるところ
病気や障害が背景にある場合、ゴミ屋敷を自力で片付けようとしても改善は難しいでしょう。放置すれば病状や生活環境がさらに悪化する恐れがあります。ここでは効果的な解決方法と相談先を紹介します。病院で診察を受ける
まずは医療機関で診察を受けることが重要です。うつ病や統合失調症といった精神疾患が疑われる場合は精神科、生活習慣病が原因なら内科や循環器内科が適切です。初めて相談する場合は、かかりつけ医や産業医に話すのがよいでしょう。病気の種類を把握すれば治療につながり、カウンセリングや薬物療法、グループでの精神療法なども受けられます。
専門業者に片付けを依頼する
治療を始めても部屋をそのままにしていては症状が悪化する可能性があります。病気がゴミ屋敷の原因であると同時に、環境が病気を進行させる負の連鎖が生まれる恐れがあります。また自分1人で片付けを行うのは困難でしょう。状況が深刻化する前に、片付けの専門業者へ依頼することが解決の近道です。費用はかかりますが、最短で数日以内に生活できる環境へ戻せます。
家族や周囲からのサポートを受ける
一人暮らしの人はセルフネグレクトや認知症の進行が早まる傾向があります。そのため家族や地域の支援は欠かせません。誰かと関わることで孤立を防ぎ、生活のリズムを取り戻せるでしょう。ただし助けを拒む場合もあるため、まずは本人の気持ちを尊重しながら一緒に解決策を探す姿勢が大切です。